はじめに
SEO内部対策とは、サイトやページの中身に検索エンジン最適化を行うこと。検索エンジン(googleのクローラー)と読者(ユーザー)の両方から評価されるコンテンツにすることで、検索順位の上昇を目指します。SEO内部対策は検索エンジン最適化における最も初歩的かつ重要なものといえます。
SEO初心者が押さえておくべきこのSEO内部対策について、本記事では技術要因とコンテンツ要因の2つにわけて解説します。コンテンツの検索順位を上げたい方はぜひ参考にしてください。
SEOの内部対策とは
SEO内部対策とは、サイトやページを検索エンジン(googleのクローラー)と読者(ユーザー)の両方から評価されるものにして、検索順位の向上を図ることです。
なぜ内部対策が必要なのか
サイトやページの検索順位は、インターネットを巡回するgoogleのクローラーというロボットの評価によって大きく左右します。クローラーはロボットで、人ではありませんから、アルゴリズムによって評価を行います。つまり、評価されるためには、そのアルゴリズムに配慮した文章やキーワードの配置を行う必要があります。これがSEO内部対策が必要な理由です。
SEO外部対策との違い
SEO外部対策には、被リンク(他者サイトからのリンク)やユーザー流入をうながすSNS連携などがあります。例えるなら、自宅にお客さんをお招きするようなものです。一方、SEO内部対策は、キーワードの配置や使用をはじめとした、サイトやページそのものから最適化を図ります。いわば、自宅の内部を居心地良くレイアウトするようなものです。
SEO内部対策の技術要因とコンテンツ要因
SEOの内部対策は技術要因とコンテンツ要因の2つに分類できます。技術要因はキーワードの適切な使用や、タグによってコンテンツの文章構造をクローラーが理解しやすくすることです。googleのクローラーに正しく審査してもらうための方法といえます。コンテンツ要因は、サイトやページの内容の量や質に関するものです。こちらもクローラーに正しく評価してもらうために必要な要素である一方、読者にどれほどの価値を提供できるのかという、よりユーザーに目を向けた対策といえます。
【技術要因その1】3大エリアの最適化
最初の技術要因は、3大エリアの最適化です。Webページに掲載されるコンテンツは、タイトルや本文などさまざまな要素(エリア)によって構成されます。その中でも特にSEOで重要なのが、「タイトルタグ」「H1タグ」「メタディスクリプション」です。これを3大エリアと呼びます。
3大エリアを示す「タグ」とは?
3大エリアごとの解説に入る前に、先ほど登場した「タグ」について簡単に説明しましょう。
タグはHTMLというWebサイトをつくるためのコンピューター言語です。ブラウザ上で右クリックし、「ページのソースを表示」を選択すると、英数字が羅列された画面が表示されると思います。それがHTMLです。<title>と</title>のタグで囲まれていると「これはタイトルなんだな」とブラウザが判断し、そのように表示するのです。
代表的なタグには次なようなものがあります。
タグ | 意味 |
<h1>、<h2>、<h3>、<h4>・・・ | 見出し |
<p> | 段落 |
<ul>、<ol>、<li> | 箇条書き |
<strong> | 重要、深刻、緊急 |
<em> | 強調 |
なお、WordPressをはじめとしたサイト・ブログ作成ツールを利用すれば、これらのタグを手入力することはほぼありません。
タイトルタグのSEO
タイトルタグとは、ページの要旨を示すものです。タイトルタグをつけられた文章が、googleの検査結果で表示されます。つまりユーザーが最初に読む文章です。また、「このページは何をテーマにしているのか」を、googleのクローラーが判断する大きな手がかりになります。そのためタイトルタグは、SEOでも特に重要視されます。
タイトルタグの具体的なSEO対策としては、まずサイトやページの特徴をすぐに理解できるようにすること。ユーザーに興味を持ってもらうには、わかりやすい表現にしましょう。
また、キーワードを含めることも絶対です。上位表示されたい検索キーワードを必ず盛り込むようにします。
タイトルタグの文字数は、ブラウザの検索結果画面で表示される文字数を考慮し、30文字前後におさめることが理想です。
h1タグのSEO
h1タグは、ページの大見出しを示すタグです。新聞や雑誌で一番大きく表示されているタイトルが、これにあたります。h1タグに関しても、タイトルタグと同様の意味を持つため、必ずキーワードを盛り込むようにします。
タイトルタグとの違いですが、タイトルタグはこれから訪問しようとするユーザーに向けた文言であるのに対し、h1タグは訪問したユーザーに向けた文言になります。タイトルタグとh1タグがまったく同じでも問題はありません。
メタディスクリプションのSEO
メタディスクリプションは、サイトやページの内容を要約した文章です。検索結果画面でタイトルの下に小さく表示されます。タイトルタグやh1タグに比べるとSEOの重要度は下がりますが、ユーザーが閲覧サイトを選ぶ際の判断基準になるため無視できないエリアです。キーワードを盛り込みながら、ユーザーが読みたくなるような工夫も意識しつつ、コンテンツを要約します。
メタディスクリプションの文字数は、PC版サイトなら120文字前後、モバイル版サイトなら最大60文字が理想とされます。
【技術要因その2】キーワードの出現頻度チェック
キーワードの出現頻度は、googleのクローラーがそのページのテーマを把握することに役立ちます。例えば安眠枕を紹介するページの場合、「枕」「安眠」「素材」「サイズ」「寝具」「カバー」「高さ」「眠り」「快適」などといったキーワードをSEOとして盛り込みます。するとクローラーは「このページでは『安眠枕』について書いているのだ」と判断します。そして、「安眠枕」での検索時に上位表示されやすくなります。
出現頻度の計算式
キーワードの出現頻度は、ページ内で使用される総単語数のうち、各単語が何パーセント使用されているのかを計算することで算出されます。その公式は次の通りです。
【特定のキーワードが使用されている回数÷Webページ内全体の単語の総数×100=キーワードの出現頻度】
サイト全体とページ内の出現頻度
キーワードの出現頻度には、サイト全体で計算するものと、特定のページに限定して計算するものの2種類あります。特定ページの出現頻度を改善するだけでも検索順位は向上しますが、「グルメ」「旅行」などといった競争率の高いキーワードの場合は、サイト全体での出現頻度を改善したほうが効果的です。サイト全体でキーワードとの関連度を高めることで、検索エンジンの評価を上げるのです。
おすすめ出現頻度の解析ツール
キーワードの出現頻度を手作業で計測するのは困難なので、解析ツールを使用しましょう。ここでは2種類のフリーツールを紹介します。
使い勝手の良いohotuku.jp
ohotuku.jpでは「URLを入力(コピペ)」、「チェックするをクリック」の2ステップだけで、対象ページのキーワード出現頻度をチェックできます。20〜50単語までが、出現頻度の高い順に表示されます。また、任意のキーワードの出現頻度を計測することも可能。出現率目標を併せて設定すれば、目標まで残り何個追加すればいいのかも教えてくれます。
テキストでチェック可能なFunkeyRating
FunkeyRating(ファンキーレイティング)も使いやすいキーワードの出現頻度チェックツールです。特徴はテキストからチェック可能なところです。サイトにアップする前に、原稿の段階で出現頻度を確認できます。
【技術要因その3】内部リンクの最適化
googleは初期の頃から、リンク構造を評価対象として重視してきました。そのリンクには、外部サイトと連携するものだけでなく、自サイト内のページとページをつなげるものも含まれます。ここではその内部リンクにおけるSEO対策を紹介します。
内部リンク構造の最適化には、次の4つのポイントがあります。
整理されたナビゲーション
ナビゲーションとはその名の通り、Webページを案内するもののこと。ヘッダーメニューとサイドメニュー、フッターメニューの3つがあります。本サイトなら、ページ最上部の「ホーム」などが並んでいるところがヘッダーメニュー。ページ右部のコンテンツ案内がサイドメニュー。ページ最下部の「INFORMATION」などが並んでいるところがフッターメニューです。
ナビゲーションを整理して配置することで、googleのクローラーが審査しやすくなり、同時にユーザーのサイト滞在時間も延びるため、検索順位が向上しやすくなります。
アンカーテキストマッチ
アンカーテキストとは、リンクに表示される文字列のこと。<a href=”リンク先URL”>ここをクリック</a>」というアンカータグの場合、「ここをクリック」がアンカーテキストになります。
アンカーテキストを、リンク先のページの内容に合ったものにすることをアンカーテキストマッチといいます。アンカーテキストマッチを行うことで、リンク先の内容をgoogleに正しく認識してもらえるようになり、検索順位のアップにつながります。
画像のALT属性
ALT属性(オルト属性)とは、画像の代わりになる文字情報のこと。代替テキストともいい、画像内容を検索エンジンに伝える役割があります。ALT属性をきちんと記述することで、検索エンジンにコンテンツの内容をより正確に伝えることができ、検索順位が向上しやすくなります。
画像のALT属性は、<img src=”画像のURL” alt=”画像の説明”>として記述されます。この”画像の説明”にあたるところが、代替テキストです。検索エンジンが画像情報を正確に把握できるように、山なら山、川なら川とストレートに文字情報を入力します。
関連性の高いページへのサイト内リンク
検索順位を上げたい対象のページから、リンクを張ることもSEO対策では大切です。リンクを張る先は、対象ページの内容と関わりの深いページにします。そうすることで検索エンジンは「関連性のあるページが豊富、つまり情報に深みがある」と判断してくれます。ただし、同じリンク先を何度も同じページに設置するのは好ましくないと考えられています。
【コンテンツ要因その1】コンテンツのテーマとキーワードの合致
コンテンツのテーマとは、「何について書かれた記事なのか」という部分のこと。そして、ここでいうキーワードとは、上位表示を目指すキーワードのことです。このテーマとキーワードが合致していることが、上位表示されるための大きなポイントになります。というのも、googleは検索ユーザーが求めるコンテンツを上位に表示させたいと考えているからです。
例えば安眠枕の価格が知りたいユーザーに対してgoogleは、「安眠枕 価格」のキーワードで作成されたコンテンツを上位に表示します。「安眠枕 サイズ」や「布団 価格」といったキーワードのコンテンツではありません。また、「安眠枕 価格」のキーワードが使用されていても、コンテンツの内容がサイズの説明だったり、布団の話題ばかりでは上位表示されにくくなります。
端的にいえば、コンテンツではキーワードに関することだけを書き、他のことは書かないようにするということです。
上位表示を目指すキーワードとコンテンツのテーマがしっかりと一致していることは、SEO内部対策の基本です。
【コンテンツ要因その2】コンテンツの質
コンテンツの質もgoogleは重視しています。その判断基準となるのは、「独自性」「信頼性」「人気度」の3つです。
コンテンツの独自性
独自性のあるコンテンツとは、オリジナルの文章で書かれた記事のことです。文章の全体あるいは一部をコピーしたコンテンツは、googleから有害と判定されます。そもそも、コンテンツの盗用は法律に抵触します。そのため、コンテンツの独自性は、質において最も重要な要素といえるでしょう。
コンテンツの信頼性
コンテンツの信頼性は、医療や健康、美容、法律、金融など専門性が高く、なおかつ人の生活に大きな影響をもたらす分野において特に重視されるポイントです。例えば誤った健康法や美容法が広く公開されてしまうと、甚大な健康被害が発生しかねません。専門家による記事監修や論文等のデータ引用などを行い、根拠に基づいたコンテンツを制作する必要があります。
コンテンツの人気度
1日のユーザー来訪者数など、コンテンツの人気度もgoogleは評価ポイントとしています。「人気がある=質の高いコンテンツ」と判断するわけです。そのため、人気度の高いコンテンツは独自性に欠けていても上位表示されることがあります。他のサイトの情報をまとめた「まとめサイト」がその典型例です。
なお、googleはコンテンツの人気度を、クリック率とサイト滞在時間の2つから測定しているといわれます。
【コンテンツ要因その3】コンテンツの量
コンテンツの量とは、記事の文字数のことです。ユーザーが検索した際、同じキーワードを使用していても、文字数の多いページのほうが上位に表示される傾向があります。
ただし、文字数が多ければいいというわけではありません。前述の通り、テーマとキーワードが合致している必要があるためです。もし文字数が不足していると感じた場合は、やみくもにボリュームを増やさず、上位表示サイトなどを参考にしながら足りないトピックを補うようにしましょう。
まとめ
SEO内部対策で検索順位を上げるためのポイントをまとめると、次の通りです。
- 3大エリア「タイトルタグ」「h1タグ」「メタディスクリプション」を最適化
- キーワードの出現頻度をチェック
- 内部リンク構造を最適化
- コンテンツの「テーマとキーワードの合致」「量」「質」を意識する