新規顧客をリピーターにするメリットと手法

新規顧客をリピーターにするメリットと手法

新規顧客をリピーターにするメリットと手法
新規顧客をリピーターに育成する戦略は必須だ。

はじめに

事業の売上や収益を高めていくためには、新規顧客の集客や既存顧客のケアに加えて、新規顧客のリピーター化を推進していく必要があります。顧客を育成し、リピート購入率を高めていくことで、収益率も高まるからです。自社の営業戦略の改善に役立つマーケティング知識として、新規顧客をリピーターに変えていく具体的な戦略・戦術を解説します。

新規顧客がリピーターになる理由とは

新規顧客をリピーターにしていくためには、そもそも顧客がリピーターになる理由をくわしく知る必要があります。その理由が分かれば、あとは再現できる仕組みとしてビジネスの中に取り入れていけばいいだけだからです。新規顧客がリピーターとなる主な理由について、解説します。

リピーターになるには接触回数が多い

人間は接触回数が多いほど、その対象に対して親しみを感じるものです。実際、顧客の心理として企業とのタッチポイントが多ければ多いほど、最初の印象さえよければ、その企業やブランドに対する愛着度合いが増していきます。ここで注意したいのが、接触の深さではなく、頻度が大切だということです。深い関わりが1回よりも、浅い関わりを何度も発生させるほうが、顧客をリピーター化させやすくなります。

顧客が定期的に訪問/購入しやすくなるように、たとえばクーポンを発行したり、フォローメールや定期的なメルマガを配信したりといった働きかけは非常に有効です。商品到着後1週間や購入後1カ月など、リピートにつながりそうなタイミングを逃さず、定期的にフォローを入れるのがポイントです。

リピーターのメリットを感じる

たとえばリピート購入の回数に応じて商品の割引率が高まるなど、リピーターになるメリットを顧客が感じられた場合、新規顧客の再購入につながりやすくなります。値引き以外にも、顧客のメリットはさまざまです。たとえば、ファッション特化のECサイトZOZOTOWNでは、身長や体重の数値をあらかじめ入力しておくと、顧客の体型にあった服をリコメンドしてくれます。他のECサイトにはない快適な購入体験がメリットとなり、リピート購入する顧客が増えるのです。企業やブランドのコンセプトに合ったリピート顧客向けのメリットを提示し、新規顧客のリピート購入を誘導しましょう。

リピーターとして特別感を感じる

リピーターを特別扱いし、顧客に「リピート購入するほうがお得かもしれない」と思わせるような施策を行うと、新規顧客をリピート化させやすくなります。購入者限定セールや各種クーポンの配布も効果的ですが、合わせてリピート顧客をお得意様として優遇することで、情緒的な価値を顧客に提供できます。

逆に、新規顧客の集客を重視するあまり、新規顧客向けの特典しか用意されていないなど、リピーターとなるメリットが感じられない状態だと、顧客は競合他社に離脱してしまいます。新規顧客の集客とリピーターの待遇のバランスには注意が必要です。

リピーターならではのダイレクトな情報が受け取れる

新規顧客のリピーター率を高めるためには、顧客それぞれにあわせた内容をダイレクトに配信すると効果的です。顧客によって、購入した商品やサービスの種類、購入回数、年齢などはそれぞれ異なるため、画一的な情報を送っても顧客の心に響きません。逆に、パーソナライズされた情報を受け取ると、顧客の購買意欲が刺激され、リピーターになりやすくなるのです。具体的には、顧客をセグメントで分けた上で、セグメントごとのメッセージを用意し、配信するとよいでしょう。例えば、「この商品を1回以上購入している人」と「商品を購入したことのない人」などにわけるだけでも、メッセージの効果を高めることができます。

口コミになる情報が入手できる

最近のトレンドを取り入れたり特色のある企業コラボをしたりなど話題作りが上手な企業も、リピーターを生み出しやすいといえるでしょう。最近では顧客がSNSで発信するための情報を求めており、口コミとなる話題があれば、新規顧客の集客だけではなく、顧客のリピート化も促します。この施策を行うためには、たとえばテレビや雑誌などのマスメディアからの取材誘致やインフルエンサーを起用した宣伝広告など、自社の話題性を顧客に認知してもらうための取り組みも必要です。

リピーターを増やすメリットとは

リピーターを増やすメリットとして、まず顧客単価の上昇や生涯顧客価値(LTV)の増加が挙げられます。つまり顧客一人あたりの売上を増やすことで、企業の収益を増加させていく効果が期待できるのです。

また、リピーターを増やすと、結果的に新規顧客の集客にかけるコストをへらすことができます。顧客を育成し優良顧客を増やしていけば、口コミによる宣伝効果や良質なフィードバックの獲得も可能でしょう。

ある程度事業が拡大したら、新規集客よりもリピーターの育成に重きを置くほうが、経営基盤が安定しやすいと言われており、実際に多くの企業がリピーターの促進や顧客の囲い込み施策に注力しています。

新規顧客を増やすメリットとは

新規顧客を増やすのは、リピーターの育成よりもコストがかかります。割合としては、既存顧客のリピート促進の5倍以上であり、近年ではそのコストがより増加していると言われています。

それでも、新規顧客を集客するメリットとしては、そもそも事業を開始する時点ではどんな企業出会っても顧客が存在せず、新規顧客の集客が必須であることが挙げられます。また、既存顧客は必ず新陳代謝があり、現状を維持しようとするとどんな事業も衰退の一途をたどります。

したがって、事業を成長させていくためには、新規顧客の獲得が不可欠なのです。そのため、新規顧客を集めながらリピートを増やし、優良顧客まで育ててていくという顧客育成の流れが、近年のマーケティングでは特に重視されています。

リピーターのタイプとは

リピーターとなる顧客は、実は以下のようなタイプ分けができます。

  • 一般客
  • 流行客
  • 有力客

それぞれのタイプによって、対処やその重要度が異なるため、あらかじめ特徴を把握しておくとよいでしょう。リピーター顧客の各タイプを説明します。

一般客とは

一般客とは、自身の判断軸をもとに商品を購入してくれた層です。大幅なキャンペーンや値引きがない通常の状態で購入決定をしている顧客のため、「その顧客はなぜ自社商品を買ってくれたのか」という理由を深堀りすることで、リピートを増やすことができます。

一般客のリピートが少ない場合は、自社商品の魅力を伝えきれていないか、そもそも求めているニーズに合っていない可能性が考えられます。顧客の声に耳を傾け、商品そのものの改良、あるいは販促企画の改善を行うべきでしょう。

流行客とは

流行客とは、短期間の間に自社の商品を複数回購入しており、平均顧客単価の7倍以上の売上を挙げているお客様を指します。短期間で多くの売上をもたらしていることから、最優先でケアすべきと判断されるケースが多いのですが、実際はバーゲンや割引キャンペーンの影響で利益率が低い商品のみを大量買いしている事が多いのが特徴です。

流行客をケアしようとするあまり、無理なキャンペーンや割引を続けて利益率を下げてしまったら本末転倒です。安さ以外のリピート購入のメリットを訴求し、購入の継続を促していくとよいでしょう。

有力客

有力客とは、ある程度の長期に渡って自社商品を複数回購入しており、合計の購入金額が平均顧客単価の7倍を超えるお客様を指します。流行客とは違い、購入期間が長期に渡っていることから、自社やブランドのファンになっている顧客だと考えることができます。

いわゆる優良顧客あるいは優良顧客予備軍のため、最も大切にケアすべき層です。企業の売上の8割は優良顧客から生じており、その離脱は企業経営にとって大きな痛手だからです。

新規顧客とリピーターの優先順位とは

パレートの法則にある通り、ビジネスの多くの事象は「2対8の法則」で説明付けることができます。売上比率も同様であり、先述したとおり「企業の売上の8割は、2割の優良顧客があげている」ケースがほとんどです。

そのため、マーケティング戦略の基本は、リピート顧客を大切にすることといえます。とはいえ、新規顧客の集客を行わなければ、既存顧客はやがて衰退していき、事業の成長は止まってしまいます。

特に市場が限定されている場合、他社から顧客を奪わなければ事業成長が見込めないケースもあるでしょう。したがって、新規顧客の獲得にもある程度のリソースを注ぎつつ、既存顧客の育成も並行する必要があります。

リピーター獲得の具体的な方法

リピーター顧客を獲得するために、多くの企業はさまざまな施策を駆使しています。その代表例を挙げると、以下のとおりです。

  • メンバーズ制度を導入する
  • 定期的に情報配信を行う
  • SNSでサプライズな情報を届ける
  • Webサイトにコンテンツマーケティングを取り入れる

それぞれの施策のポイントをまとめてお伝えします。

メンバーズ制度を導入する

多くの企業が顧客のリピートを促進する施策として、メンバーズ制度を導入しています。たとえば紙媒体のショップカードあるいはLINE公式アカウントのポイント管理機能を活用してメンバーズカードを作り、来店ポイントがある程度貯まると割引やノベルティの提供などを行います。

顧客の購入頻度や金額に応じてより豪華なデザインのカードに切り替え、VIPの特別感を顧客にアピールすることもあります

LINE公式アカウントは、自社からプッシュ型の発信を行うことができるため、積極的に導入する企業が増えています。LINE公式アカウントへの登録を面倒だと感じる顧客も多いため、初回登録時に特別クーポン発行など顧客のメリットとなる特典をプラスする施策は効果的です。

定期的に情報配信を行う

LINE公式やメールマガジン、ダイレクトメールなどを用いて、リピーター向けのキャンペーンや誕生日・記念日などパーソナルな特典情報などを配信する施策もリピーター増に有効です。顧客の属性にもよりますが、郵送のDMは特に効果が高いといわれています。

とはいえ、届くまでに時間がかかる上、郵送コストがかかるなどのデメリットもあります。

顧客のリピートを促すためには、顧客との接触頻度を増やす必要があります。そのため普段は費用や時間をかけずにメルマガやLINEでコミュニケーションをとり、記念日など特にアピールしたいタイミングで紙のDMを使うとよいでしょう。

いずれにしても、手段に合った顧客の連絡先情報が不可欠なので、日頃から顧客リストの情報の充実を心がけましょう。

SNSでサプライズな情報を届ける

無料で発信できるSNSは、顧客とのコミュニケーションを取リながら情報をアピールできる効果的なツールです。営業色が強すぎるメッセージは好まれないため、顧客に共感されるような投稿を意識し、リピーターを飽きさせないように工夫をするとよいでしょう。

キャンペーン情報や話題になりそうな企画はもちろん、時に発信者の人柄を感じられるような近況報告なども入れ込むとよいでしょう。思わずシェアしたくなるようなSNS独自の企画もおすすめです。人気の企業公式アカウントを参考にしながら、発信を通じて顧客との距離を縮めていくことをおすすめします。

Webサイトにコンテンツマーケティングを取り入れる

自社のWebサイトにブログ機能がある場合、顧客が求めている情報を提供するコンテンツマーケティングの手法を導入することで、顧客をリピート化しやすくなります。

たとえば自社で調理器具を販売している場合、お手入れの方法や自社の器具を使った料理レシピなどの情報を発信すると顧客に喜ばれるでしょう。日頃から顧客にアンケートなどを行い、顧客が興味関心を寄せる話題を集めておくと、コンテンツマーケティングで発信する情報選定に役立ちます。

また、自社サイトでコンテンツマーケティングを行う場合、SNSやメルマガなど、登録者を増やしたいものに対する導線もしっかりと設定しておきましょう。そうすることで、コンテンツの蓄積と拡散、両方の効果が期待できます。

リピーターが増えない原因

上記のようなリピーター増の施策をしていても、場合によってはリピーターが思うように増えないというケースもあるでしょう。そういった場合の原因として、見直すべき項目を細かく解説します。

サービス内容

そもそもサービス内容が顧客のニーズに合っていなかったり、競合他社と比べて特筆すべき特徴がなかったりすると、顧客がわざわざリピートしようと考えなくなります。競合他社と比べて、自社サービスの強みは何なのか、今一度分析をした上で、サービス内容をブラッシュアップするとよいでしょう。

対策不足

リピーターを呼び込むための施策を行っていたとしても、その内容が不十分であれば効果を発揮しないケースは想定できます。たとえばLINE公式やメールマガジンの発信頻度が少なすぎたり、メンバーズカードへの登録を促す施策が不十分だったりすると、せっかくの対策が意味をなしません。成功している競合他社の事例を参考に、施策の内容や質を検討しましょう。

リピーター獲得にはブランディング対策が重要

競合他社と自社を差別化し、ブランディングを行うことで、リピーターの獲得率は高まります。自社の強みだけではなく、その理念や価値観、世界観などを十分に発信できているかを考えましょう。たとえば店舗の内装や販促物のデザインが、自社のブランディングとマッチしているか、といった部分もチェックし、全体の統一感が生まれるように改善していきましょう。

まとめ

新規顧客をリピーターに変えていくための戦略ポイントは、以下の通りです。

  • 新規顧客の集客と顧客のリピーター化はどちらも重要であり、一貫した顧客育成の体制を構築していく必要がある
  • 新規顧客をリピーター化するためには、メンバーズ制度やSNS・コンテンツマーケティングでの発信などを通じて、顧客にリピートのメリットを感じさせる必要がある
  • 施策を行ってもリピート率が低い場合、自社や顧客、競合他社の分析から見直していくとよい

新規顧客をリピーターにできれば、企業経営は安定しやすくなります。ぜひ今回の記事を参考に、顧客のリピート化を積極的に狙いましょう。

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サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

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大企業はその企業に応じたマーケティング予算と手法があり、スタートアップ企業や中小企業、あるいはニッチャーには、それぞれに応じたマーケティングや新規開拓の方法があります。企業の成長過程では、取り組みが異なるのは当然ですし、それを構築することが何より重要です。そのお手伝いをするのが私たちの使命です。そして成長すれば、その取り組みコストは回収できるはずです。サブ丸は年間運用で60万円あまりのコストがかかります。そのコストを回収し、さらなる飛躍をめざす企業にご利用いただきたいと考えています。

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