顧客プロファイルの活用方法

顧客プロファイルの活用方法

顧客プロファイルの活用方法
顧客プロファイルはオートメーションで作成したい

はじめに

企業が最も重視するデータに一つが顧客データです。顧客に関するさまざまなデータをプロファイルすることで、正確なターゲッティングや効率的な情報配信なども可能になります。今回は、顧客プロファイルの基礎知識や収集方法、データの活用方法などをご紹介します。

顧客プロファイルとは

顧客プロファイルとは、顧客の属性や行動などのデータをもとに、それぞれの顧客の特徴や意志などを整理した情報を集めたものです。顧客プロファイルで得たデータは、顧客戦略において顧客や市場のニーズを的確に理解するために役立ちます。顧客プロファイルはただ情報を集めるだけではなく、顧客の性別、年齢、年収や家族構成などの性質やその人がある場面においてどのような行動を示すかを分析することが重要です。また、顧客の興味や関心は変化するため、顧客プロファイルもそれに合わせてリアルタイムに更新することも必要です。顧客プロファイルによって整理した情報をうまく活用することで顧客の性質に合わせた施策を打てるようになります。

顧客プロファイルに必要な情報とは

顧客プロファイルに必要な顧客の属性に関するデータベースは大きく4種類あります。デモフィックデータ(人口統計データ)

  • ファーモグラフィックデータ(企業に関する属性データ)
  • サイコグラフィックデータ(社会心理学データ)
  • 行動データ(購入履歴やプロセス)

それぞれのデータの特徴やデータベースを作るためのデータ収集方法についてご紹介します。

デモグラフィックデータ

デモグラフィックデータとは「人口統計学的属性」のことで、性別、年齢、住んでいる地域、所得、職業、学歴、家族構成などその人のもつ社会経済的な特質データのことです。デモグラフィックデータは、顧客分析を行う際に重要なデータです。そして、その収集方法は2つあり、1つ目は、アンケートやヒヤリングという直接、顧客に聞く方法です。最近では、メルマガやLINEステップなどもよく使われています。そして、2つ目は、GoogleやSNSのアナリティクスツールを使って収集することです。どのような人が購入しているのかなど傾向がわかります。デモグラフィックスデータを分析すれば、現在の顧客のセグメンテーションやターゲッティングに役立てることができます。

ファーモグラフィックデータ

ファーモグラフィックデータとは、企業に関するさまざまなデータのことで、具体的には以下のような項目を指します。

  • 企業の業種(SICコード:産業コード)
  • 売上や利益額
  • 従業員数(規模)
  • 役職
  • 職種など

これらのデータの収集方法は、対象となる企業のオフィシャルサイトや帝国データバンクのような企業リサーチ会社から情報を買うなどの手段があります。先ほど、ご紹介したデモグラフィックデータでは、実際の企業内の顧客や活動がとらえにくいためにファーモグラフィックデータが必要です。ファーモグラフィックデータは、デモグラフィックデータと同様にセグメンテーションやターゲッティングを行うときに使いますが、こちらは企業からの目線に立って定義づけられたデータベースです。

サイコグラフィックデータ

サイコグラフィックデータとは、心理学的な特性のあるデータのことを指します。項目としては、

  • 顧客のライフスタイル
  • 顧客の好み
  • 顧客が抱く価値観
  • 顧客の信念(宗教)
  • 顧客が好む趣味・嗜好
  • 顧客の関心・興味

などが挙げられます。具体的な収集方法としては、デモグラフィックデータと同様、既存顧客へのインタビュー、アンケートの実施やウェブサイトアナリティクスによる調査が主な手法です。デモグラフィックデータは、「誰が」買うのかという視点でのデータですが、サイコグラフィックデータは、「なぜ」買うのかという視点に基づくデータです。人々の価値観やライフスタイルが多様化する中で、サイコグラフィックデータを活用し、顧客プロファイル分析をすれば、既存顧客への対策だけでなく、潜在顧客の発掘も可能です。

行動データ

行動データとは、その名のとおり「顧客の動向」を数値化したデータのことです。行動データは基本、オンライン(Web)とオフライン(リアル)に分けられます。オンラインでは自社サイトへの訪問回数や滞在時間、どのページを閲覧したか、どこをクリックしたかなどをデータ化したもので、オフラインでは店舗への訪問回数や滞在時間、店舗内での進路、どこで立ち止まり、何を購入し、いくら支払ったかなどをデータ化したものです。その収集方法は、社内に蓄積されたデータからの収集が基本です。最近では、IoTの発達やビッグデータ分析により、顧客の行動、購買に至るまでの一連のプロセスが可視化され、より深い顧客理解、アプローチができるようになりました。

顧客情報の収集方法とは

先ほどは、顧客プロファイルに必要なデータについてご紹介し、そのデータごとの収集方法について少しふれました。こちらではその収集方法にフォーカスして、その特徴やメリット、デメリットなどを解説したいと思います。それぞれの特徴を知ることで、自社の状況に応じた調査ができます。

  • WEBメディアによる情報収集
  • ダイレクト・ヒアリング
  • 行動観察
  • アンケート調査

WEBメディアによる情報収集

WEBメディアでの情報収集において、注目されているのがソーシャルリスニングです。ソーシャルリスニングとは、TwitterやInstagramなどのSNSから顧客の生の声を収集することです。そのメリットとデメリットは下記の通りです。

<メリット>

  • 情報量が多いため、信憑性のある定性データが取得できる
  • 競合他社への生の声もリサーチができる
  • 未だ購買に至っていない潜在顧客の情報が収集できる

<デメリット>

  • 収集できる情報量が多すぎる
  • 匿名での投稿もあるので、ユーザー属性の判別しづらい

ソーシャルリスニングにおいては、情報量が多いため、欲している情報を精査しなければいけないので複数のワードを使用して検索することが必須です。また、各SNSでその特徴は違うため、それぞれの特徴をしっかり把握し、無駄のない収集をする必要があります。

ダイレクト・ヒアリング

ダイレクト・ヒアリングとは、直接対面による情報収集のことです。ダイレクト・ヒアリングでは、できるだけ多くの顧客を訪問するほどその情報価値は高まります。顧客との関係を深め、欲しい情報を引き出すために、目的を意図した効果的なコミュニケーションが必要です。そのメリットとデメリットは下記の通りです。

<メリット>

  • 商品、サービスの満足している部分、不満な部分などを個別に洗い出せる
  • 顧客の潜在的なニーズの掘り起こせる
  • 想定外の有益な情報が得られることもある

<デメリット>

  • ある程度の情報量に達するまで時間がかかる
  • 結果は訪問担当者のスキルによる

ダイレクトヒアリングにおいて、顧客の立場に立って、「話したいことを話しもらう」というスタンスでコミュニケーションをとることが重要です。

行動観察

行動観察とは、対象となる顧客の自宅などに訪問して、その行動を観察し、話を伺いながら、対象者と同じ環境に一定期間身をおいて、情報を収集することです。そのメリットとデメリットは下記の通りです。

<メリット>

  • 思いがけない発見がある
  • 同じ空間に身をおくことで顧客と共感体験ができる

<デメリット>

  • 事実を引き起こす背景や理由に関するデータは得られない
  • 訪問担当者の印象によって結果が変わる

行動観察をする前提として、そもそも人はひとつひとつの動作を考えておこなっているわけではなく、無意識な状態で行動していることが多々あります。そこで顧客の行動を観察し、言葉ではない情報から新たな気づきを得ることが、行動観察のポイントです。

アンケート調査

アンケート調査とは、調査対象の意見や行動を把握するため、特定の期間内にさまざまな調査方法で様式化した質問を使って回答を求め、データを集める調査方法のことです。サービスに対する顧客の満足度や、性別・年齢別の顧客の生活様式などの把握できます。 そのメリットとデメリットは以下の通りです。

<メリット>

比較的コストをかけずGoogleフォームなどで手軽に情報収集できる

<デメリット>

質問の設定を間違えると、欲しい情報を得られなくなる

 アンケート調査を行う上で重要なことは、そのアンケートを行う目的は調査の位置づけによって異なるため、企画・計画を策定していくなかで、その目的を明確にしておくことがポイントです。

顧客プロファイルの活用方法

収集したデータはただ集めただけでは意味がありません。収集したデータを分析して現状を把握し、今後のビジネスに活用することが目的です。そこで、収集したデータをどのように活用できるのかを5つご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

  • 潜在顧客へのリーチ
  • 顧客データの統合
  • マーケティング効果の向上
  • ターゲット層の明確化
  • コミュニケーション戦略への応用
  • チャネルの有効活用

潜在顧客へのリーチ

潜在顧客へのリーチとは、潜在顧客に対し、コミュニケーションをとり、成果につなげることを指します。この施策を行うためには、「潜在顧客が誰なのか」を明確にしておく必要があります。サイコグラフィックデータや行動データなど顧客プロファイルから得たデータをもとに、自社商品のニーズを改めて分析し、アプローチすべき潜在顧客を絞り込みましょう。潜在顧客の層にあわせて、たとえば広告にしてもどのような媒体が有効か、選定する必要があります。顧客の認知行動や情報取得行動など、データを元に類推し、各種PRや企画など行いましょう。中長期的な戦略としては、コンテンツマーケティングも有効です。

顧客データの統合

顧客のデータの統合とは、自社の管理する顧客に関する散在しているデータを収集して、信頼できる1つのデータベースにまとめることです。最適な顧客プロファイルを活用すれば、複数のデバイスやチャネルをまたいで情報を統合できます。顧客データの統合を行うことは、より効率的で、より顧客に関連性の高いマーケティングを可能にします。また、顧客と良い関係を構築する上でより効果的なマーケティングも行えます。ここでポイントとなるのは、顧客データの統合は一度きりではないということです。新しいデータを入手するたびに情報更新を継続する必要があります。情報更新することでデータの質は上がり、マーケティング活動においてさらに多くのインサイトをもたらしてくれます。

マーケティング効果の向上

マーケティングにおける顧客プロファイリングとは、顧客やターゲットを分析し、プロモーションや経営戦略を考えときに有効な手法です。そのため、正しい顧客プロファイルの把握ができれば、マーケティング活動の成果を高めることができます。顧客プロファイリングを行い、ターゲットとなる見込み客や顧客の特徴が分かれば、何の媒体を利用し、どのようなメッセージを送るのが効果的か明確になります。ビジネスにおいて、マーケティングにおいても人材や資金・予算、期限が限られた状態で活動を行う必要性があります。その限られた経営資源を有効に活用し、費用対効果の高いマーケティング活動、プロモーションを行うためにも顧客プロファイリングを行うことが必要です。

ターゲット層の明確化

マーケティング戦略においてターゲットとなる顧客層を明確にしないと、労力ばかりかかり、利益を出すことができません。そのために、顧客プロファイルで得たデータを活用し、セグメンテーションとターゲッティングを行います。まずは、セグメンテーションによって、市場をいくつかのグループに切り分け、その後、その中のどのグループに狙いを定めるかというターゲッティングをします。その後、各ターゲット・セグメントについて、可能なポジショニング・コンセプトを策定していきます。ポジショニング策定の段階では、客観的な判断が甘くなり、自社製品の特長に目が行きがちな点に注意しましょう。ターゲット顧客のニーズが本当にあるのかを見失ってしまうことがあるので、常に目的を忘れないことが重要です。

コミュニケーション戦略への応用

コミュニケーション戦略とは、商品やサービスの情報を、ターゲット顧客に効率的かつ効果的に伝えるための戦略ことです。開発した商品やサービスの情報を効率的かつ効果的に顧客に伝えることではじめて、その商品やサービスは認知され、購買につながります。そのため、その商品やサービスが売れるセグメントやタッチポイントを見極めなければいけません。顧客プロファイルによって獲得したデータを活用し、顧客とのやり取りの性質に合わせて、電子メールやディスプレイ広告、ソーシャルメディアなど、さまざまな形でエンゲージメントを促進できます。また、顧客プロファイルを利用すると、最新の顧客情報を取得してあらゆるチャネルで活用できます。

チャネルの有効活用

顧客プロファイルを活用すれば、あらゆるマーケティングチャネルを有効に活用できます。過去の経験によるさまざまな推測によって時間や経費を無駄にするのではなく、それぞれのチャネルで正確かつリアルタイムな情報を利用できるからです。自社で保有するチャネルは、情報の掲載のタイミングや頻度をコントロールできるマーケティングツールです。オフィシャルサイトをはじめ、ブログ、アプリ、SNS、メルマガと多岐に渡りますが、これらのチャネルを駆使すれば、企業イメージを一貫してコントロールができます。また、ブログの定期配信や新商品案内などの情報配信に関しても一貫してコントロールしながら顧客の行動に合ったチャネルでの配信が可能になります。

まとめ

顧客プロファイルについてのポイントは以下の通りです。

  • 顧客プロファイルで収集したデータを使い、グループの特性や行動をもとに顧客に合った提案ができる。
  • 顧客の興味や関心は常に変化するため、顧客プロファイルもそれに合わせて更新を継続することが重要です。
  • 顧客プロファイルで得たデータは、情報量が増えるにつれて分析の精度が上がり、自社のマーケティング活動に役立ちます。

今回、紹介した顧客プロファイルで得たデータは、使用してこそ、価値が生まれます。その価値を見出すために本記事がお役に立てれば幸いです。

>サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

「この価格で本当にオウンドメディができるんですか?」「サブ丸は安価ですね。コンサルが入るのと比較できませんが、一般的な費用の1/4ぐらいじゃないですか」このサービスをローンチする前に相談したマーケティング&コンサルタント会社の担当者から聞いた言葉です。サブ丸はサービス内容と比較して安価かもしれませんが「私たちは値段を売っているのではない。サービスを提供しているのだ」と信念を持って取り組んでいます。

大企業はその企業に応じたマーケティング予算と手法があり、スタートアップ企業や中小企業、あるいはニッチャーには、それぞれに応じたマーケティングや新規開拓の方法があります。企業の成長過程では、取り組みが異なるのは当然ですし、それを構築することが何より重要です。そのお手伝いをするのが私たちの使命です。そして成長すれば、その取り組みコストは回収できるはずです。サブ丸は年間運用で60万円あまりのコストがかかります。そのコストを回収し、さらなる飛躍をめざす企業にご利用いただきたいと考えています。

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