顧客マーケティングがわかる良書

顧客マーケティングの理解を深める良書10選

顧客マーケティングがわかる良書
マーケティングの教科書はいくつもあるのでまずは読んでみることが大切

はじめに

マーケティングの知識はオンラインでも身につきますが、体系的に学びたいなら読書がおすすめ。しかし、顧客マーケティングひとつとっても、関連書籍は膨大にあり、なかには実践とはそぐわない内容の本もあります。今回は、本選びの参考として、顧客マーケティングの分野で定評がある良書を10冊厳選して紹介します。

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

顧客起点マーケティング
顧客ピラミッドは活用しやすい

P&G出身、ロクシタンやロート製薬、スマートニュースで数々の実績を叩き出したマーケッター、西口一希氏の著書です。彼が成し遂げた成果を一部紹介します。

  • 化粧水「肌ラボ」を本数ベースで日本No.1を達成
  • スマートニュースをiPhoneアプリランキング100位圏外から1年でNo.1達成

そんな西口氏が自身で確立したフレームワーク「顧客ピラミッド」「9セグマップ」「N1分析」を全て公開し、その理論や具体例を解説しているのが本書です。

特に、売れ行きが伸び悩んでいる市場への戦略に迷う人には適した本で、単なる理論説明に留まらず、具体的なアクションに落とし込むための手法が延べられています。

グロースマーケティング(Growth Marketing)

グロースマーケティング
持続的な成長の仕組みづくりに役立つ

株式会社NTTドコモのマーケティング分野における新規事業型子会社である株式会社DearOneが手掛けたグロースマーケティングについてまとめた本です。グロースマーケティグとは「企業・事業・製品・サービスの持続的成長にフォーカスしたマーケティング活動」であると本書の中で定義されています。顧客理解、顧客満足、顧客体験、エンゲージメントというものを視野に入れたマーケティング戦略をテーマにしているため、顧客マーケティングを俯瞰的に学ぶことができます。特に、顧客データの活用方法についてくわしく書かれているため、たとえば次のようなお困りごとを抱えている人にはおすすめです。

  • デジタルマーケティングの成果が出なくて悩んでいる
  • 顧客データはたくさんあるが、整理できておらず活用するための糸口がわからない
  • 「DX」「デジタルシフト」と経営層からいわれるが、何からやればいいかわからない

世界最先端のマーケティング

世界最先端のマーケティング
世界最先端のマーケティングを活用したい

オイシックスのCOCO (チーフ・オムニチャネル・オフィサー)、奥谷孝司氏と大広プロジェクト・マネージャー、岩井琢磨氏の共著で、オンラインで商品を展開している企業のマーケティング担当者におすすめしたい本がこの「世界最先端のマーケティング」です。なぜアマゾンがあえてリアル店舗を展開するのかという問いを打ち出し、ネットとリアルを融合させた世界最先端のマーケティング企業の戦い方が多角的に解説されています。本書内で紹介されている3つのフレームワーク

  • チャネルシフト・マトリクス
  • 顧客時間
  • エンゲージメント4P

を用いて、Amazonのほか、ニトリ手ぶらdeショッピングやMUJI Passport、ZOZOSUITなど多数の企業の「チャネルシフト戦略」を事例で学ぶことができます。

顧客体験マーケティング 顧客の変化を読み解いて「売れる」を再現する

顧客体験マーケティング
顧客体験を重視するこれからの書

顧客の変化とマーケティング施策を一貫させたい人に適した本が、株式会社コレクシア代表取締役の村山幹朗氏と同社CXO芹澤連氏が書いた「顧客体験マーケティング」です。著者のお二人は、消費者行動論やナラティブ分析など、購買行動を生み出すプロセス側の分析を得意とするマーケッター。その強みを活かして、ブランドが顧客に価値として受け入れられ、商品が売れていくプロセスを「アクセプターモデル」を使って解き明かし、1人の顧客を深く理解することで売れる企画やアイデアを創造する仕組みを解説しています。

「顧客理解」について見つめ直し、「顧客体験」をマーケティング施策展開に落とし込むための実践書です。

実戦 顧客倍増マーケティング戦略

顧客倍増マーケティング戦略
顧客の取りこぼしをなくす方法を知ろう

難しいマーケティング用語が苦手な人は、人気メルマガ「売れたま!」の発行者としても知られるマーケッター、佐藤義典氏の書籍がよいでしょう。今回は同氏の著作の中でも顧客マーケティングを重点的に扱ったこの本を取り上げました。

「マインドフロー」と命名された、顧客が商品・サービスを「知って、買って、使って、ファンになる」という流れにモレとムダを徹底してなくす手法により、業界を問わず顧客の認知率や購買率などを改善できます。学んだ内容を具体的なアクションに落とし込めるように工夫をこらした構成になっており、自分がどこから着手すればいいのかが一読して分かる親切設計です。文章が非常に読みやすいため、マーケティングの本は分かりづらいと感じている人にこそおすすめできます。

優良顧客を逃さない方法

優良顧客を逃さない方法
パレートを法則を考えると優良顧客は鍵

WOWOWグループ初の女性取締役、大坂祐希枝氏が既存顧客維持(リテンション)についてまとめた本です。無料や値引き、プレゼントキャンペーンが乱立する中で、新規加入者と同じ数だけ解約され、新規集客のコストに経営が圧迫されていく状態だったかつてのWOWOW。その業績を大坂氏がどのように立て直して来たかという経験が、体系立ててまとめられています。

  • 優良顧客をうまく定義できておらず、離脱が防げていない
  • 新規顧客の集客コストばかりがかさんで、リテンションに注力しきれていない
  • 成長がある程度終わり、伸び悩んでいるサービスの戦略に困っている

「顧客理解」をよりくわしく学びたい方はもちろん、上記のような課題を抱えている人に、特におすすめです。

デジタル時代の基礎知識『マーケティング』 「顧客ファースト」の時代を生き抜く新しいルール

デジタル時代の基礎知識『マーケティング』
顧客との接点をいかに増やすか

イオンやキタムラでネット戦略構築を経験し現在はオムニチャンネルコンサルタントとして独立している逸見光次郎氏がマーケティングの基礎についてまとめた本です。古典的なフレームワークからデジタル時代のフレームワークまでを俯瞰し、メガネスーパーやタワーレコードなどの企業事例や図解を使用して非マーケッターにもわかりやすい内容に仕上げています。デジタル時代のマーケティングの基礎を短期間で学びたい人に最適でしょう。まずはマーケティングの全体像を掴みたい人や初歩から学びなおしたい人にはおすすめです。逆に、すでにマーケティングの現場で活躍されている人には、物足りないかもしれません。

売り上げを倍増させる“顧客勘定”マーケティング

顧客勘定マーケティング
顧客ごとへのアプローチが重要

タワーレコードのオンライン事業部本部長などを経験し、現在ではクイズメディア「QuizKnock」の運営会社でマネジメントに参画している前田徹哉氏が、企業の売上・利益を大幅に伸ばすメソッド「顧客勘定」について解説した本です。「どの顧客がいくらの何をどれだけ買ってくれたか?」に着目し、顧客勘定をベースに現状を可視化し、顧客育成や新規顧客集客、そして顧客の維持の戦略をPDCAで改善するための示唆が多数もりこまれています。本書の中では、読者への「問いかけ」が多用されており、自社に置き換えて具体的なアクションをイメージしやすい仕組みになっています。特に、顧客の離脱や客単価の低下に悩んでいる現場の営業職やマーケティング担当者におすすめです。

カスタマーサクセス―サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則

カスタマーサクセス
顧客維持のノウハウが今後重要になる

カスタマーサクセスソフトウェアを提供するゲインサイト(Gainsight)のCEO、ニック・メータ氏らが、顧客との関係づくりについて取り上げたマーケティング本です。あらゆる分野でサブスクリプションサービスが増えていく中で、顧客との関係維持はまずます重要度を増しています。そのような時代において、データの活用と顧客への積極的な支援、そして「カスタマーサクセス」の概念がカギになると本書では記されています。顧客を維持するために、どのようにコミュニケーションを設計すればよいのか、顧客分析をベースにした「タッチモデル」の作成方法がまとめられているため、顧客とのタッチポイント改善や顧客満足度の向上を目指すときには参考になるでしょう。

ユーザー起点マーケティング実践ガイド

ユーザー起点マーケティング実践ガイド
顧客データの活用におすすめ

この本では、CDP(Customer Data Platform)のビジネス活用法が体系立ててまとめられています。CDPとは、オンラインとオフライン両方で収集した顧客の行動データを統合・蓄積し、マーケティングに活用するためのデータ分析基盤です。顧客データは日々累積していきます。そういったデータを基盤として活用できる状態に構築するフレームワークや、データサイエンティストやエンジニアでなくても使えるAIのデータ分析法、実際にCDPを有効活用している企業事例などが本書の中には盛り込まれています。CDPに関する本はまだ数が少ないため、顧客データをもっと積極的に活用したい人はぜひ読んでみましょう。

まとめ

顧客マーケティングについて取り上げた書籍を10選、ご紹介しました。基礎レベルを俯瞰できる本から専門性が高いものまで幅広く紹介しましたが、いずれも著者が自らの体験に基づいて書いたコンテンツであり、フレームワークや具体例が多数盛り込まれているため、実践に落とし込みやすい良書です。大切なのは、読んで終わりにせず、本を読みながら常に自社の事例ならどのように取り入れればよいか、自分に問いかけながら具体的なアクションに変えていくことです。特に、書籍内で紹介されているフレームワークの数々は、ぜひ本を読み進めながら実際に手も動かしましょう。この記事で紹介した本をぜひ顧客マーケティングの改善にお役立てください。

本原稿は「顧客を増やす方程式」に掲載しています。サイトではファンマーケティングBtoBマーケティング新規顧客の獲得差別化などの記事をラインナップしています。

>サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

サブ丸はスタートアップ企業やニッチャー向き

「この価格で本当にオウンドメディができるんですか?」「サブ丸は安価ですね。コンサルが入るのと比較できませんが、一般的な費用の1/4ぐらいじゃないですか」このサービスをローンチする前に相談したマーケティング&コンサルタント会社の担当者から聞いた言葉です。サブ丸はサービス内容と比較して安価かもしれませんが「私たちは値段を売っているのではない。サービスを提供しているのだ」と信念を持って取り組んでいます。

大企業はその企業に応じたマーケティング予算と手法があり、スタートアップ企業や中小企業、あるいはニッチャーには、それぞれに応じたマーケティングや新規開拓の方法があります。企業の成長過程では、取り組みが異なるのは当然ですし、それを構築することが何より重要です。そのお手伝いをするのが私たちの使命です。そして成長すれば、その取り組みコストは回収できるはずです。サブ丸は年間運用で60万円あまりのコストがかかります。そのコストを回収し、さらなる飛躍をめざす企業にご利用いただきたいと考えています。

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